自然塗料Q&A
下記のような質問がお店によせられました。知りうる範囲でお答えしたいと思います。
初めまして.横浜市に在住のNと申します.
今月中に新居が竣工の予定ですが,そこで採用した無垢フローリングのメンテナンスに関してアドバイスを頂けないでしょうか.
>材はウォールナットです.
クルミ材の総称。つやがあり、ねばりがある。重厚なクラシック家具などでもこの材は好んで使われます。
元々はマルホンでサンプルを見て濃色系のアッシュが気に入っていたのですが,予算の関係で工務店が安価に供給出来る候補の中から気に入ったものを選択し直しました.
(それでも,無垢材という部分は譲りたくなかったので,合板よりはコストを掛けてます.)
>サンプルや施工中の端材を見た限り,一般的なウォールナットのイメージ(艶っぽくて濃いブラウンに暴れたような黒い木目)ではなく,白木のような淡白な面に節の少ない黒い木目がスッと通っていて,全体的に濃淡(白黒)のバラつきがあります.
サンプルは比較的濃色に見えたのですが,施工中の端材のバランスではやや白っぽくなっています.
(養生を外して全体を眺めると,もっと違った印象かもしれませんが.)
無塗装加工品の物は、年輪もしらけそう感じます。油を入れるだけでも年輪や色が出てきます。これはウォールナットだけでなく、年輪のはっきりした堅木に共通します。
オイル入りとオイル無しが半々のサンプルを頂いて見比べても,質感にほとんど変化が無かったので,住みながら色々なオイル・ワックス・柿渋などを試して変化を楽しもうかと思い,工務店にはオイル無しで施工してもらいました.
それから色々調べて御社のHPを拝見したわけですが,桐油・亜麻仁油・蜜蝋ワックスなどが紹介されていて非常に興味を持ちました.
前置きが長くなりましたが,質問です.
>・もし材の保護のためにオイルやワックスを施工するとしたら,引越す前の状態で先にまんべんなく掛けてしまった方が良いでしょうか?
引っ越し前にまんべんなく、オイルをかけた方が良いと思います。汚れ防止になります。桐湯、(少しくさいですが)、荏油(荏胡麻油これは良いにおいです)でも良いです。乾性油なので表面皮膜しべとつきはとれやすいです。桐湯は堅いので少し塗布しにくいかもしれません。荏油は少し高価です。これらの理由でうちでは、亜麻仁油を入れています。
>・オイルは浸透して長期的な保護,ワックスは表面の短期的な保護(コーティング?)と受け取りましたが,最初に施工するとしたら,どちらが先になるでしょうか?(あるいは,どちらかだけを継続的に施工すれば十分でしょうか?)
最初はオイル、乾いてからワックスで良いと思います。水回りに使っている場合は、使い始めから一週間おきに5回ぐらいワックスを塗り重ねてください。後は気がついたときに塗るくらいで良いと思います。そうすると洗剤やアルコールをこぼしても、シミが出来にくくなります。床は半年から一年に一度くらいワックスをすればよいと思います。
>・オイルが浸透すると,濡れたような色味に変化すると思われますが,御社で扱っている桐油・亜麻仁油・菜種油では,質感以外に仕上がりの色味にも違いが出ますでしょうか?
桐湯は他の油に比べると黄色みが少なく、若干マットな感じに仕上がります。
後でワックスを塗るのであれば気にしなくて良いと思います。色についても、木が自身焼けてくるので気にする必要はないでしょう。
>・より濃色系を求めて柿渋を施工した場合,日向に1回塗って放っておくと,どんどん濃くなっていってしまうのでしょうか?(微調整は効くものでしょうか?)
一回塗りでは、ある程度焼けたら色の変化は止まると思います。ただ柿渋は着色と言うよりは、防虫、防腐、撥水を目的とした自然塗料です。独特の赤味があり、この色が好みでなければおすすめしません。着色ならオイルにベンガラを溶いて刷り込む事をお勧めします。うちではオイルステンのように年輪をたたせて着色する場合黒、赤、黄色のベンガラで調色して着色しています。下記参照ください
以前の記事を引用
油に弁柄を直接混ぜると木目の生きた自然な着色が出来ますからオイルステインを使う必要も有りません。(上 杉の建具 茶色の弁柄に亜麻仁油 下 杉の無垢床 黄色弁柄に亜麻仁油仕上げ)
>・昔の人が米ぬかの入った布袋で柱や床を擦って,徐々に飴色に変化していったという話を聞きますが,米ぬかには柿渋のように変色させる成分があるのでしょうか?それともオイルやワックスのように働いて,濃い濡れ色になっていくということなのでしょうか?(オイルにも同じような効果がありますか?)
米ぬかに柿渋のような変色する効果はありません。蜜蝋やカルバナ蝋、等と同じワックス効果がある物です。ぬれ色になります。布でこするという事で磨く事にもなりますね。
自家製ワックスを開発するときにうちでもライスワックッス(米ぬかワックス)を入れた物を作った事があります。
>徐々に飴色に変化していった
これは木に潤いを与えた状態で焼けていった結果だと思います。檜や松は良い飴色に焼けていきます。色に関しては、木によって変わると思います。
・仮に,オイルもワックスも一切施工しなかった場合,どのような経年変化をしていくものでしょうか.
乾燥し、少しひび割れたりしてグレーっぽくなります。雨に濡れない物もこぼさないような場所だと、こういった枯れ具合も好きですが、生活しているフロアーだと、シミや汚れの方が気になるのでは。お寺や神社の濡れ縁等を想像してみてください。これはケヤキですがご参照ください
>・他に,天井・壁・床の全てを構造用合板で仕上げた部屋があるのですが,この部屋のメンテナンスにもオイルやワックスは向きますでしょうか.
これらも、無塗装状態であれば表面は木ですから、オイルを入れるとぬれ色になりますがウレタンなどの塗装を施してある場合は無駄だと思います
以上参考になれば幸いです。ヴァニラリーフの自然塗料はこちら
初めまして.横浜市に在住のNと申します.
今月中に新居が竣工の予定ですが,そこで採用した無垢フローリングのメンテナンスに関してアドバイスを頂けないでしょうか.
>材はウォールナットです.
クルミ材の総称。つやがあり、ねばりがある。重厚なクラシック家具などでもこの材は好んで使われます。
元々はマルホンでサンプルを見て濃色系のアッシュが気に入っていたのですが,予算の関係で工務店が安価に供給出来る候補の中から気に入ったものを選択し直しました.
(それでも,無垢材という部分は譲りたくなかったので,合板よりはコストを掛けてます.)
>サンプルや施工中の端材を見た限り,一般的なウォールナットのイメージ(艶っぽくて濃いブラウンに暴れたような黒い木目)ではなく,白木のような淡白な面に節の少ない黒い木目がスッと通っていて,全体的に濃淡(白黒)のバラつきがあります.
サンプルは比較的濃色に見えたのですが,施工中の端材のバランスではやや白っぽくなっています.
(養生を外して全体を眺めると,もっと違った印象かもしれませんが.)
無塗装加工品の物は、年輪もしらけそう感じます。油を入れるだけでも年輪や色が出てきます。これはウォールナットだけでなく、年輪のはっきりした堅木に共通します。
オイル入りとオイル無しが半々のサンプルを頂いて見比べても,質感にほとんど変化が無かったので,住みながら色々なオイル・ワックス・柿渋などを試して変化を楽しもうかと思い,工務店にはオイル無しで施工してもらいました.
それから色々調べて御社のHPを拝見したわけですが,桐油・亜麻仁油・蜜蝋ワックスなどが紹介されていて非常に興味を持ちました.
前置きが長くなりましたが,質問です.
>・もし材の保護のためにオイルやワックスを施工するとしたら,引越す前の状態で先にまんべんなく掛けてしまった方が良いでしょうか?
引っ越し前にまんべんなく、オイルをかけた方が良いと思います。汚れ防止になります。桐湯、(少しくさいですが)、荏油(荏胡麻油これは良いにおいです)でも良いです。乾性油なので表面皮膜しべとつきはとれやすいです。桐湯は堅いので少し塗布しにくいかもしれません。荏油は少し高価です。これらの理由でうちでは、亜麻仁油を入れています。
>・オイルは浸透して長期的な保護,ワックスは表面の短期的な保護(コーティング?)と受け取りましたが,最初に施工するとしたら,どちらが先になるでしょうか?(あるいは,どちらかだけを継続的に施工すれば十分でしょうか?)
最初はオイル、乾いてからワックスで良いと思います。水回りに使っている場合は、使い始めから一週間おきに5回ぐらいワックスを塗り重ねてください。後は気がついたときに塗るくらいで良いと思います。そうすると洗剤やアルコールをこぼしても、シミが出来にくくなります。床は半年から一年に一度くらいワックスをすればよいと思います。
>・オイルが浸透すると,濡れたような色味に変化すると思われますが,御社で扱っている桐油・亜麻仁油・菜種油では,質感以外に仕上がりの色味にも違いが出ますでしょうか?
桐湯は他の油に比べると黄色みが少なく、若干マットな感じに仕上がります。
後でワックスを塗るのであれば気にしなくて良いと思います。色についても、木が自身焼けてくるので気にする必要はないでしょう。
>・より濃色系を求めて柿渋を施工した場合,日向に1回塗って放っておくと,どんどん濃くなっていってしまうのでしょうか?(微調整は効くものでしょうか?)
一回塗りでは、ある程度焼けたら色の変化は止まると思います。ただ柿渋は着色と言うよりは、防虫、防腐、撥水を目的とした自然塗料です。独特の赤味があり、この色が好みでなければおすすめしません。着色ならオイルにベンガラを溶いて刷り込む事をお勧めします。うちではオイルステンのように年輪をたたせて着色する場合黒、赤、黄色のベンガラで調色して着色しています。下記参照ください
以前の記事を引用
油に弁柄を直接混ぜると木目の生きた自然な着色が出来ますからオイルステインを使う必要も有りません。(上 杉の建具 茶色の弁柄に亜麻仁油 下 杉の無垢床 黄色弁柄に亜麻仁油仕上げ)
>・昔の人が米ぬかの入った布袋で柱や床を擦って,徐々に飴色に変化していったという話を聞きますが,米ぬかには柿渋のように変色させる成分があるのでしょうか?それともオイルやワックスのように働いて,濃い濡れ色になっていくということなのでしょうか?(オイルにも同じような効果がありますか?)
米ぬかに柿渋のような変色する効果はありません。蜜蝋やカルバナ蝋、等と同じワックス効果がある物です。ぬれ色になります。布でこするという事で磨く事にもなりますね。
自家製ワックスを開発するときにうちでもライスワックッス(米ぬかワックス)を入れた物を作った事があります。
>徐々に飴色に変化していった
これは木に潤いを与えた状態で焼けていった結果だと思います。檜や松は良い飴色に焼けていきます。色に関しては、木によって変わると思います。
・仮に,オイルもワックスも一切施工しなかった場合,どのような経年変化をしていくものでしょうか.
乾燥し、少しひび割れたりしてグレーっぽくなります。雨に濡れない物もこぼさないような場所だと、こういった枯れ具合も好きですが、生活しているフロアーだと、シミや汚れの方が気になるのでは。お寺や神社の濡れ縁等を想像してみてください。これはケヤキですがご参照ください
>・他に,天井・壁・床の全てを構造用合板で仕上げた部屋があるのですが,この部屋のメンテナンスにもオイルやワックスは向きますでしょうか.
これらも、無塗装状態であれば表面は木ですから、オイルを入れるとぬれ色になりますがウレタンなどの塗装を施してある場合は無駄だと思います
以上参考になれば幸いです。ヴァニラリーフの自然塗料はこちら
by vanillaleaf | 2006-12-10 05:46 | 自然素材